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論文

Mass-spectrometric determination of iodine-129 using O$$_{2}$$-CO$$_{2}$$ mixed-gas reaction in inductively coupled plasma tandem quadrupole mass spectrometry

松枝 誠; 青木 譲; 小荒井 一真; 寺島 元基; 高貝 慶隆*

Analytical Sciences, 38(11), p.1371 - 1376, 2022/11

 被引用回数:2 パーセンタイル:15.48(Chemistry, Analytical)

$$^{129}$$IのICP-MS分析はキセノン-129($$^{129}$$Xe)と過剰な安定同位体$$^{127}$$Iから発生する$$^{127}$$IH$$_{2}$$により妨害される。本研究では、ICP-MS/MS内のダイナミックリアクションセルにO$$_{2}$$+CO$$_{2}$$の混合ガスを導入することで、$$^{129}$$Iと干渉物質($$^{129}$$Xeと$$^{127}$$IH$$_{2}$$)を気相反応により分別した。その結果、(m/z129のバックグラウンドノイズ強度)/$$^{127}$$Iの比は4.6$$times$$10$$^{-10}$$となった。本法を用いて、100mg/L $$^{127}$$Iと10mBq/L $$^{129}$$Iを添加した雨水試料を分析し、9.8mBq $$^{129}$$Iの良好な定量値を得た。

論文

$$^{129}$$I/$$^{127}$$I and $$Delta$$$$^{14}$$C records in a modern coral from Rowley Shoals off northwestern Australia reflect the 20th-century human nuclear activities and ocean/atmosphere circulations

三ツ口 丈裕; 岡部 宣章*; 横山 祐典*; 米田 穣*; 柴田 康行*; 藤田 奈津子; 渡邊 隆広; 國分 陽子

Journal of Environmental Radioactivity, 235-236, p.106593_1 - 106593_10, 2021/09

 被引用回数:5 パーセンタイル:35.21(Environmental Sciences)

深部流体の識別指標に資するためのヨウ素129($$^{129}$$I)測定技術開発を目的として、北西オーストラリア産の現生サンゴ骨格年輪(西暦1931年-1991年)のヨウ素129濃度($$^{129}$$I/$$^{127}$$I)及び炭素14濃度($$Delta$$$$^{14}$$C)を測定した。$$^{129}$$I/$$^{127}$$Iは東濃地科学センター加速器質量分析装置(JAEA-AMS-TONO-5MV)を用い、$$Delta$$$$^{14}$$Cは東京大学の加速器質量分析装置を用いて測定した。その結果、$$^{129}$$I/$$^{127}$$Iと$$Delta$$$$^{14}$$Cの両方で1950年代から明瞭な上昇が見られた。$$Delta$$$$^{14}$$Cの上昇は大気圏核実験によるものであり、$$^{129}$$I/$$^{127}$$Iの上昇は大気圏核実験及び核燃料再処理によるものである。以上の結果は先行研究と良く一致していることから、JAEA-AMS-TONO-5MVによる$$^{129}$$I/$$^{127}$$I測定が更に拡張されたといえる。

論文

西部北太平洋における福島第一原子力発電所事故によって放出された$$^{129}$$Iの沈み込み

鈴木 崇史; 乙坂 重嘉; 桑原 潤; 川村 英之; 小林 卓也

JAEA-Conf 2018-002, p.103 - 106, 2019/02

福島第一原子力発電所(1F)事故起因の放射性物質の海洋中での動態解明を行うことを目的に、西部北太平洋における3地点で$$^{129}$$Iの鉛直分布を明らかにした。3地点とも1F事故起因とみられる$$^{129}$$Iは混合層内に存在していた。また最も南側の観測点では水深370m-470mに1F事故起因とみられる$$^{129}$$Iによる極大層が存在していた。溶存酸素濃度及び周辺海域の流速を考慮すると、この極大層は、別の海域の表層に存在していた$$^{129}$$Iが速い下降流によって、水深370m-470mに到達したと考えられる。

論文

Vertical distribution of $$^{129}$$I released from the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant in the Kuroshio and Oyashio current areas

鈴木 崇史; 乙坂 重嘉; 桑原 潤; 川村 英之; 小林 卓也

Marine Chemistry, 204, p.163 - 171, 2018/08

 被引用回数:2 パーセンタイル:10.86(Chemistry, Multidisciplinary)

福島第一原子力発電所から放出された放射性物質の深さ方向への移行を調べる事を目的に、親潮,黒潮、及びそれらの混合海域においてヨウ素129($$^{129}$$I)の鉛直分布を明らかにした。福島第一原子力発電所起因の$$^{129}$$Iは親潮及び混合海域においては表層で、黒潮海域においては亜表層で観測された。親潮及び混合海域で観測された$$^{129}$$I/$$^{134}$$Csは福島第一原子力発電所の原子炉内のそれより高いことが明らかとなった。高い$$^{129}$$I/$$^{134}$$Csは、(1)事故時に放射性ヨウ素は放射性セシウムより放出されやすかった、(2)汚染地域から$$^{129}$$Iが再放出され、大気経由で沈着した、(3)放射性セシウムが除去された汚染水が観測地点に到達した可能性が示唆された。また亜表層で観測された福島第一原子力発電所起因の$$^{129}$$Iは黒潮続流の蛇行によって運び込まれたと考えられる。、

論文

High sensitivity measurement of Iodine-129/Iodine-127 ratio by accelerator mass spectrometry

鈴木 崇史; 北村 敏勝; 甲 昭二*; 外川 織彦; 天野 光

Journal of Nuclear Science and Technology, 43(11), p.1431 - 1435, 2006/11

 被引用回数:13 パーセンタイル:65.83(Nuclear Science & Technology)

日本原子力研究開発機構の加速器質量分析装置にヨウ素ラインを設置した。このヨウ素ラインは高分解能の分析電磁石及び高エネルギー分解能の静電ディフレクターによって妨害イオンを除去するシステムになっている。ヨウ素ラインを設置後、さまざまなトラブルに見舞われたが修理,改善を行った結果、0.53%の再現性と1.1%の精度に達した。10$$^{-10}$$から10$$^{-12}$$までのヨウ素同位体比を持つ標準試料を測定した結果、このヨウ素ラインは$$^{129}$$Iを精度よく測定できることを実証した。低レベルの$$^{129}$$Iを測定する際、メモリー効果が観測されたので、検出限界を再度見積もった。検出限界値はヨウ素同位体比で10$$^{-14}$$レベルであった。これらの結果から判断するとこのヨウ素ラインは原子力施設のモニタリングだけでなく年代測定やトレーサー利用といった地球環境科学分野に応用できる可能性を有している。

論文

JAERI-AMSによるヨウ素-129の測定法及び海洋学への応用

鈴木 崇史; 北村 敏勝; 外川 織彦; 天野 光

UTNST-SMP-12, p.116 - 121, 2003/12

日本原子力研究所むつ事業所に設置してある加速器質量分析計は炭素同位体比とヨウ素同位体比を測定する2本の独立したビームラインを有している。ヨウ素ラインは2003年5月から定常測定を開始した。ヨウ素ラインの性能は同位体比($$^{129}$$I/$$^{127}$$I=10$$^{-10}$$程度)で、精度約1%再現性0.52%と安定して測定可能であった。さまざまな濃度を持つ標準試料を測定した結果10$$^{-10}$$から10$$^{-12}$$まで十分な正確さで測定できることが確認された。市販試薬中のヨウ素同位体比を測定したところ2.3$$times$$10$$^{-13}$$であった。本講演ではさらに海洋調査研究室における海水中のヨウ素129測定,調査状況についても報告する。

論文

An Advanced aqueous reprocessing process for the next generation's nuclear fuel cycle

峯尾 英章; 朝倉 俊英; 宝徳 忍; 伴 康俊; 森田 泰治

Proceedings of GLOBAL2003 Atoms for Prosperity; Updating Eisenhower's Global Vision for Nuclear Energy (CD-ROM), p.1250 - 1255, 2003/11

次世代核燃料サイクルのための高度化湿式再処理プロセスを提案した。本プロセスの枢要な要素技術は、ヨウ素129分離,選択的Np(VI)還元によるNp分離及び高濃度硝酸による核分裂生成物、特にTcの分離,抽出クロマトグラフィーによるMAの分離、並びにCs/Srの分離である。溶解後のウランの分離はそれに続く抽出分離プロセスの必要容量を低減するために有効である。これらの技術のうち、NpのTBP中還元速度を測定した。その結果水相中での還元速度より小さいことがわかった。また、この結果に基づいて改良したフローシートを用いて使用済燃料試験を行った結果、90%のNpがU/Pu分配工程の手前で分離されることがわかった。

論文

A High-sensitivity and non-destructive trace element analysis based on multiple $$gamma$$-ray detection

大島 真澄; 藤 暢輔; 初川 雄一; 早川 岳人; 篠原 伸夫

Journal of Nuclear Science and Technology, 39(4), p.292 - 294, 2002/04

 被引用回数:18 パーセンタイル:73.21(Nuclear Science & Technology)

多重$$gamma$$線検出法と中性子放射化分析を組合せて、新たな微量元素定量法を開発した。この定量法はpptまでの高感度と、49種までの多元素同時定量が可能である。招待講演において、この方法の原理と実証,さらに標準岩石試料,アレンデ隕石,環境中放射能$$^{129}$$I,地層試料などへの適用例を紹介する。

論文

Study on gaseous effluent treatment for dissolution step of spent nuclear fuel reprocessing

峯尾 英章; 飯塚 勝*; 藤崎 進; 宝徳 忍; 朝倉 俊英; 内山 軍蔵

Proceeding of International Waste Management Symposium 2002 (WM '02) (CD-ROM), 9 Pages, 2002/00

29及び44GWdt$$^{-1}$$の使用済燃料の溶解をベンチスケール試験装置において行い、放出される放射性ヨウ素及び炭素14の挙動を調べた。銀シリカゲル吸着剤による溶解オフガス中ヨウ素129の除染係数は36,000以上と測定され、吸着剤が有効に働くことを確認した。ヨウ素129の移行率を測定したところ、溶解液へ0.57%,ヨウ化物として残渣に2.72%,残りがオフガスへ移行することがわかり、ヨウ素131トレーサを用いた既往の試験結果にほぼ一致した。KIO$$_{3}$$によるヨウ素追い出し法が通常のNO$$_{2}$$による追い出し法より効果的であることを示した。また、キュリウム244等の自発核分裂によるヨウ素131生成量は燃焼度に依存した。溶解時に二酸化炭素となった炭素14は溶解中にKr-85などの希ガス放出とほぼ同時にオフガス中へ放出され、その挙動は酸濃度に依存する可能性が示唆された。炭素14放出量から生成源の窒素14の新燃料中濃度は数ppmと推定され、既往の報告の範囲内であった。

論文

Study on gaseous effluent treatment during dissolusion tests of spent fuel

峯尾 英章; 木原 武弘; 高橋 昭*; 八木 知則; 中野 雄次*; 木村 茂; 内山 軍蔵; 宝徳 忍; 渡辺 眞樹男; 亀井 一成; et al.

Proceedings of International Waste Management Symposium '99 (Waste Manegement '99) (CD-ROM), 6 Pages, 1999/03

銀シリカゲル(AgS)吸着材によるヨウ素129の吸着容量を燃焼度8000MWd/tの使用済燃料1.5kgの溶解試験において測定した。また炭素-14のKOH水溶液による除去を同じ試験において行った。この試験は、燃焼度45,000MWd/tまでの使用済燃料を用いる一連の試験の第一段階である。ヨウ素-129は溶解時及び2段階からなるヨウ素追い出し操作時に発生した。AgSカラムで捕集されたヨウ素-129は約210kBqで、ORIGEN計算により推定される本使用済燃料1.5kgからのヨウ素-129発生量の約62%に相当した。これまでの試験結果から、ヨウ素-129は、溶解槽とAgSカラムとの間の配管表面に付着したと示唆された。一方、炭素-14の溶解時における全捕集量は約2MBqで、数ppmの窒素-14が新燃料に含まれていたことが示唆された。

口頭

東海再処理施設における排気中のヨウ素129分析

三枝 祐; 山本 昌彦; 西田 直樹; 田口 茂郎; 渡邊 伸久; 稲田 聡; 久野 剛彦

no journal, , 

再処理施設における排気中のヨウ素129(I-129)の分析は、活性炭フィルタにヨウ素を捕集し、Ge半導体検出器を用いたI-129の放射能測定により行われている。本研究では、活性炭フィルタに捕集されたI-129濃度評価法として、活性炭フィルタの線吸収係数を求め、自己吸収の影響を補正するとともに、活性炭フィルタの排気流入側(表面)と排出側(裏面)の$$gamma$$線を測定して活性炭フィルタの捕集効率を算出しI-129濃度を評価する手法を考案した。本発表では、この評価手法について報告する。

口頭

西部北太平洋における福島第一原子力発電所事故によって放出された$$^{129}$$Iの挙動

鈴木 崇史; 乙坂 重嘉; 桑原 潤; 川村 英之; 小林 卓也

no journal, , 

福島第一原子力発電所事故によって放出された放射性物質の挙動を解明する目的で、西部北太平洋における親潮, 混合、及び黒潮海域における$$^{129}$$Iの鉛直分布を明らかにした。福島第一原子力発電所事故起因の$$^{129}$$Iは、親潮及び混合海域では表層混合層で、黒潮海域では亜表層で観測された。また表層混合層で観測された事故起因$$^{129}$$I/$$^{134}$$Csは事故時に原子炉内に存在していた$$^{129}$$I/$$^{134}$$Csより高かった。表層混合層における$$^{129}$$I/$$^{134}$$Csが高いことから、(1)$$^{129}$$Iは原子炉内の存在割合より多い割合で放出された、(2)汚染地域に沈着した$$^{129}$$Iが再放出され大気経由で観測点に到達した、(3)放射性セシウムが除去された汚染水が海水の流れと共に観測地点に到達した可能性が示唆された。また事故起因$$^{129}$$Iが亜表層で観測された結果からは、混合海域の表面海水が黒潮続流の蛇行により運ばれ、さらに等密度面に沿って亜表層に沈み込んだ可能性が示唆された。

口頭

Tracking the fate of $$^{129}$$I near the seafloor off Fukushima

乙坂 重嘉*; 佐藤 雄飛*; 鈴木 崇史; 桑原 潤; 中西 貴宏

no journal, , 

海底付近においてヨウ素は、還元的な堆積物中での有機物の分解に伴う無機化, 酸化的な海水中での化学形の変化、細胞内外での酵素反応による有機化等、様々な経路で移行する。このため、海底付近での放射性ヨウ素の移行過程の追跡は、海洋における様々な元素循環についての理解を深めるうえで貴重な情報をもたらす。本講演では、福島第一原子力発電所事故によって福島沿岸の海底に沈着した$$^{129}$$Iの分布や再移動の様子について議論した研究成果について、元素循環の観点で紹介する。特に、(1)福島周辺海域の海底への$$^{129}$$Iの沈着は非生物性の吸着によるものであること、(2)事故から2年間に沿岸に沈着した$$^{129}$$Iの数パーセントが陸棚縁辺域へと再移動することについて解説する。

口頭

コリジョンリアクションセル型誘導結合プラズマ質量分析装置による高放射性廃液中の$$^{79}$$Se, $$^{129}$$I分析法の開発

三枝 祐; 山本 昌彦; 稲田 聡; 久野 剛彦

no journal, , 

高放射性廃液(HAW)中の$$^{79}$$Seは、ガラス固化体の処理処分における存在量・線量評価上、重要な核種である。また、$$^{129}$$Iは、使用済燃料のせん断・溶解オフガスに移行し、HAW中には含まれないと考えられるが、分析報告例はほとんどない。しかし、HAWに含まれていた場合、ガラス固化体処分時に環境へ長期間影響を及ぼすため、線量評価上、詳細な濃度把握が必要である。これらは長半減期の低エネルギー$$beta$$線放出核種であるため放射能分析が困難な核種であり、高感度な分析法である誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)では、同重体干渉による測定誤差が大きく、従来法では$$^{79}$$Se, $$^{129}$$Iの正確な分析が困難である。そこで本研究では、セル中に反応ガスを導入し、測定対象イオンや同重体イオンを反応させ、化学形態を変化させることで同重体の影響を排除可能なコリジョンリアクションセル型ICP-MSを使用した$$^{79}$$Se, $$^{129}$$I分析法について検討した。本発表では、HAW中の$$^{79}$$Seの定量、及び$$^{129}$$Iの高感度な測定のための基礎試験結果を報告する。

口頭

特定の緯度帯における海氷起源水のトレーサーとしての北西太平洋縁辺域における海水中の$$^{129}$$I分布観測

鈴木 崇史; 乙坂 重嘉*

no journal, , 

高緯度域における$$^{129}$$Iの移行過程を解明することを目的に、北緯45度から56度における北西太平洋及び北緯56度から64度における太平洋の縁辺海であるベーリング海にて、表面海水中の$$^{129}$$I濃度分布及び鉛直方向の$$^{129}$$I濃度分布を明らかにした。表面海水中の$$^{129}$$I濃度分布は北緯45度から56度の北西太平洋では緯度とともに減少し、北緯56度から64度のベーリング海では緯度とともに増加している傾向が観測された。この結果から調査海域における表面海水中の$$^{129}$$Iは緯度もしくは海域によって移行過程が異なることが示された。また鉛直方向の$$^{129}$$I分布から、ベーリング海の水深100m以深における$$^{129}$$I濃度は、高緯度域の北西太平洋における同水深の$$^{129}$$I濃度と比較し、高いことが観測された。この結果から、ベーリング海の$$^{129}$$Iは北西太平洋のそれと比べて素早く深層に運ばれる移行過程があることが示された。

口頭

The Concentration and migration of iodine-129 in the ocean released from the accident of the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant

鈴木 崇史; 乙坂 重嘉*; 桑原 潤

no journal, , 

福島第一原子力発電所事故で放出された放射性物質の海水中での移行を解明するために、事故前における海水中の$$^{129}$$I濃度の測定結果、事故後における海水中の$$^{129}$$I濃度の測定結果及び海水中での事故起因$$^{129}$$Iの鉛直方向への移行についてまとめた。事故前における表面海水中の$$^{129}$$I濃度は北緯32度から北緯44度の範囲で、緯度とともに直線的に増加していることが観測された。また事故後に観測した$$^{129}$$I濃度の測定結果から、事故後の海水中の$$^{129}$$I濃度は事故前の海水中$$^{129}$$I濃度と比べて有意に上昇していた。この結果から、事故によって$$^{129}$$Iが海水中に放出されていることが確認された。さらに事故後に海水中の$$^{129}$$I濃度を鉛直方向に調査した結果から、事故起因$$^{129}$$Iは黒潮続流の蛇行の影響により水深370-470mに沈み込んでいることが確認された。事故起因$$^{129}$$Iを調査することは事故起因放射性物質の移行を理解するだけでなく、海水混合などの海洋研究にも役立つことが示された。

口頭

加速器質量分析装置を用いて解明した海水中でのヨウ素129の沈み込み

鈴木 崇史

no journal, , 

海水中の放射性物質の濃度を測定するためには大量の海水試料(数十L程度)を必要とするため、福島第一原子力発電所事故後、大量の海水試料を採取しやすい表面海水中での放射性物質の濃度については多数の報告例があるが、大量の海水試料を採取しづらい鉛直方向における放射性物質の濃度については報告例が少ない。加速器質量分析装置は少量の海水試料(1L程度)から高感度でヨウ素129の濃度を測定できるため、この特徴を活かし、福島第一原子力発電所事故後の、西部北太平洋における親潮,混合及び黒潮海域において海水中のヨウ素129濃度の鉛直分布を明らかにした。福島第一原子力発電所事故で放出されたヨウ素129は、親潮及び混合海域においては表層混合層内に存在していたが、黒潮海域では表層混合層内には存在せずに、表層混合層以深に存在していた。表層混合層以深への事故起因ヨウ素129の移行過程は、黒潮続流の蛇行により、この流れに引き込まれるように混合海域の海水が南下し、黒潮続流の下層に潜り込んだため生じたと考えられる。

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